みゆき店

展覧会のお知らせ

大塚茂吉 ―邂逅― (6/26~7/2)

2015.06.01 up

大塚茂吉

―邂逅―
2015

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会期:2015年6月26日(金)~7月2日(木)
10:00~18:00
会期中無休・作家在廊



本展覧会は終了いたしました。ご来場誠にありがとうございました。



大塚茂吉は東京藝術大学美術学部日本画科を卒業、同大学大学院日本画専攻を修了した後、1994年にイタリアに渡り、陶都ファエンツァのバラルディーニ国立陶芸学校でテラコッタの技法を習得し、1999年に帰国。大塚の作品は、イタリアの伝統的なテラコッタの技術に依拠してはいるが、独自の想念から出てきたる造形表現を積み重ねて今に至る。

彼の表現における特異な作風は、作品の表面前面に小さな点を穿ってそこに白土を埋めたいわゆる象嵌文が点じられていることで、これは他に例を見ない特質である。この作為について詳しく語らないので忖度するに、極めて真摯な信仰心を持つ彼は、祈りのこころで一点一点穿っていて、この作業は彼の仕事の根幹をなす作法であるらしい。かたち造った女性像や猫に、この点刻によって魂を宿らせているのだろう。

今回、猫の作品のいくつかに点刻の代わりに土の表面を磨いて焼く、という新たな試みが見られる。これは古代の技法の一つである。作品全体を執拗に磨くという行為は、祈りのこころで白土を一つ一つ埋めている今までの作法と通じるのかもしれない。

この度の個展では、作家は東洋との邂逅を想って制作したようである。

東京国立博物館名誉館員
林屋晴三





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捧げる




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邂逅





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ふりむく猫Ⅰ・Ⅱ
デッサン赤




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祈る人Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ




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黒い猫




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小さな猫




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茶碗Ⅰ・Ⅱ




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蝶と手




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月天




大塚茂吉 略歴

1979 東京藝術大学美術学部日本画科卒業
1981 東京藝術大学大学院美術研究科日本画専攻修了
1996 G.バッラルディーニ国立陶芸学校卒業(イタリア)
1999 二人展"イタリアからのテラコッタ~アルド・ロンティーニと大塚茂吉"、草月美術館(東京)
2002 個展"大塚茂吉のテラコッタ"、日本橋三越本店美術サロン(東京)
2003 個展"大塚茂吉のテラコッタ"、大沼山形本店(山形)
2003 東美アートフェア個展、東京美術倶楽部(東京)
2004~2015 21世紀展、東京美術倶楽部(東京他)
2005 個展"大塚茂吉のテラコッタ"、日本橋三越本店特選画廊(東京)
2008 個展"内なる微笑み"、ティート・バレーストラ近現代美術館(イタリア)
2009 個展"内なる微笑み"、ギャラリー ニアート(イタリア)
2010 個展"内なる微笑み"、日本橋三越本店特選画廊(東京)
2011 個展"内なる微笑み"、ファエンツァ国際陶芸美術館(イタリア)
2012 個展"女神と猫"、ギャラリー歩゛ら里(山梨)
2012 個展"内なる微笑み"、ファエンツァ陶芸フェスティバル(イタリア)
2013 個展、ギャラリーヨシイ(フランス)
2013 "土の姿"展、益子陶芸美術館(栃木)
2014 個展"内なる微笑み"、日本橋三越本店特選画廊(東京)



作品収蔵先

ヴィクトリア&アルバート美術館(イギリス)
ティート・バレーストラ近現代美術館(イタリア)
東京国立近代美術館
兵庫陶芸美術館
高松市美術館
滋賀県立陶芸の森・陶芸館
菊地寛実記念智美術館

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